2019年10月19日に緊急でイギリス議会が開催されました。なんでも土曜日にイギリス議会が開催されるのは37年ぶりでフォークランド紛争以来らしいです。
そんな中、EUを離脱する(ブレグジット)かどうかの審議がされましたが、離脱が承認されずに結果的に離脱を延期する、ということになり、イギリス議会は迷走状態に・・・
今回の記事では、ブレグジットの動向について、まとめていきます。
目次
投票結果は延期に・・・
そもそもイギリス議会の下院は定員が650あります。今回の審議では、EU離脱について承認を見合わせるかどうかについて、賛成か反対かを採決しました。過半数を上回れば、離脱が承認されるはずでしたが、投票結果は賛成322:反対:306と与党が敗北する形になりました。
これにより、EU離脱の期限が10月31日までに設定されていましたが、EU側に来年の1月31日までに延期する要請をしなければならなくなりました。
しかしながら、EU側は10月18日にEU側が「EU離脱の延期を認めない、イギリス議会の説得を行ってほしい」と述べており、そして、フランスのマクロン大統領も延期は認めないべきである、と述べたばかりでした。その後、イギリス議会ではEU離脱になるという選択肢を取れなかったため、カオスな展開になっています。
合意なき離脱の可能性は?
上述のようにイギリス議会で承認を取れなかった与党。今までもジョンソン首相は離脱延期を遅らせるべきでない、10月31日に離脱すべき、と主張を繰り返してきました。今回の議会では承認を取れなかったので、EU側に離脱延期の申請をしなければなりませんが、肝心のジョンソン首相はなにがなんでも10月31日にEUを離脱するという姿勢を崩していません。
そのため、週明けにもEU離脱をするための関連法案の整備を急ぐと思われます。
本当に「合意なき離脱」が行われたら、世界経済が混乱することは間違いありません。
最近のポンドの上下動が激しい
イギリスの通貨であるポンドは大荒れです。1週間前では130円だったポンド円が、2019年10月20日現在の価格で140円付近に来ています。上昇をし続けるのか、それとも、下落をするのか見ものです。
しかしながら、今回の議会の決定で、ポンドは窓開けはほぼ確定。恐らく下落方向に大きな窓を空けるのではないか?というのが大方の予想になります。仮に窓開けしなかったとしても、イギリスの政情不安からポンドが売られる可能性は大いにあるため、ポンドのポジションをすでに持っている人は注意深く見守ったほうが良さそうです。
ポンドの特徴と値動きの激しさについては以下のページでまとめています。
今回の記事で出てくる「窓開け」について理解を深めたい人はこちらのページをご覧ください。